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五年間 (FIVE YEARS)

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ライヴ・アルバム『ステージ』の中で、TVから写し出された歌詞のお陰でもあるけれど、この『五年間』という曲にショックを受けた。だって、ケタケタと笑い毎日が楽しい日々・・・私は多分に幸福な子供時代を過ごしてきたのだと思う。でも、大人になること、社会をみつめること、世界中には・・・笑ってばかりはいられない。何かハッ!と目が大きく開いたような、そんな感じだった。

この世界の終焉を予感させる物悲しいメロディ。この曲は『ジギー・スターダスト』のオープニング曲でもある。ボウイならではのSFちっくな架空のロック幻想物語。「僕たちにはあと5年間しかない」と繰り返し終わる。オープニングから既に滅びの美学。私はこういう世界にすんなりと馴染むことができたよう。ボウイの内向する世界が好きだと思う。
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きみの顔 きみの民族 きみの話し方
きみにキスしよう きみは美しい きみに歩いてほしいんだ

僕たちには5年間しかない 目に焼きついてはなれない
僕たちには5年間しかない なんていう驚きだ
僕たちには5年間しかない 僕の頭はひどくいかれてる
僕たちには5年間しかない 僕たちに残されたのはそれだけだ

僕たちには5年間しかない なんていう驚きだ
僕たちには5年間しかない 窓に焼きついてはなれない
僕たちには5年間しかない 僕の頭はひどくいかれてる
僕たちには5年間しかない 僕たちに残されたのはそれだけだ


もしも本当にそうなれば、泣き出したくなるような不安と恐怖に陥るだろう。この歌の中には様々な人々が登場する。少年、黒人、警官、軍人、牧師、ゲイ・・・「きみ」って?聴いている私でもあり全ての「きみ」なのだろう。そして、この曲は今ではそんなに悲歎に暮れる曲ではないと思っている。ボウイはこうして私に問いかけたり、考えることを教えてくれる。断言的でもないし、とても柔軟なイマジネーションを、空想を手助けしてくれるみたい。
by bowieworld | 2005-11-23 00:00 | 素晴しきアルバム・楽曲たち
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